化学物質の爆発安全情報データベース

第16節

試験シリーズ6

16.1 はじめに

16.1.1 試験シリーズ6の3種類の試験結果は、積荷が内部または外部の原因による火災に巻き込まれた場合に、等級 1.1, 1.2, 1.3, 1.4 の中で、どの等級が最も製品の挙動に一致するかを判定するために用いられる(図 10.3 のボックス 26, 28, 30, 32, 33)。これらの試験結果はまた、製品が等級 1.4 の隔離区分Sに入れられるかどうか、クラス1から除外されるかどうかの判定にも必要である(図 10.3 のボックス 35 および 36)。3種類の試験とは以下のとおりである。

16.2 試験方法

16.2.1 現在使われている試験方法を表16.1に示す。

表16.1 試験シリーズ6の試験方法

試験コード 試験名称
6(a) 単一包装品試験 * 16.4.1
6(b) 積み重ね試験 * 16.5.1
6(c) 外部火災(ボンファイヤ)試験 * 16.6.1

               * 推奨試験

16.2.2 タイプ6(a), 6(b), 6(c) はアルファベット順に行う。ただし、常に3種類の試験全てを行う必要はない。爆発性物品が包装せずに運ばれる場合、または包装品に物品がひとつしか入っていない場合は、タイプ6(a) は行わなくてよい。タイプ6(b) はそれぞれのタイプ6(a) 試験で以下のような場合、行わなくてよい。

  1. 包装品の外側が、内部の爆轟および/または発火によって損傷を受けていない。
  2. 包装品の中身が爆発しない、または非常に弱く爆発するので、タイプ6(b) 試験で爆発の影響がひとつの包装品から他へ伝播する可能性がない。

タイプ6(c) 試験は、タイプ6(b) 試験で、積み重ねた実質的に全ての内容物が事実上即時に爆発する場合、行わなくてよい。そのような場合、その製品は等級 1.1 に分類される。

16.2.3 物質が、試験シリーズ1のタイプ(a) 試験で、“-”の結果(爆轟の伝播がない)となる場合、雷管を用いたタイプ6(b) 試験は行わなくてよい。物質が、試験シリーズ2のタイプ(c) 試験で、“-”の結果(爆燃が起こらない、または速度が遅い)となる場合、点火装置を用いたタイプ6(a) 試験は行わなくてよい。

16.2.4 等級および隔離区分の指定において用いられる用語の説明は、モデル規定付録B中の用語解説を参照のこと。(例えば大量爆発、火工品、総負荷、全内容物、爆発、全内容物の爆発など)

16.3 試験条件

16.3.1 シリーズ6の試験は、輸送時の条件および形状の爆発性物質および物品の包装品に適用される。製品の幾何学的配置は、包装方法および輸送条件に関して現実的なものであり、かつ最も不利な試験結果を生むものであるようにする。爆発性物品が包装せずに輸送される場合には、試験は非包装品に適用される。物質あるいは物品を含む包装のすべてのタイプが試験されるが、以下の場合は除く。

  1. その製品が、どのような包装をしても、他の試験結果あるいは既存の情報に基づいて、主管庁によって明確に、ある等級に分類される場合。
  2. その製品が、どのような包装をしても、危険等級 1.1に分類される場合。