化学物質の爆発安全情報データベース > 化学物質の危険有害性
「危険物」とは、我が国では発火や爆発を起こす物質のことをいい、また「有害物」とは、中毒を引き起こしたり健康を害したりする物質のことを示していました。一方諸外国では、これらをまとめて、hazardous materialsと呼んでいます。我が国でも、近年では国際化に対応するために、これら2つを合わせて「危険有害性物質」とまとめて呼んでいます。
現在、国内での危険有害性物質は労働省告示により分類されています。また、これらの分類に属する物質は三省告示に挙げられています。これらの物質がいわゆる「告示対象物質」であり、そのMSDSの交付が義務づけられています。
上記告示は、厚生労働省の法令等データベースシステムで全文を見ることができます。
これらの分類および該当物質は、我が国での約束事であり、当然諸外国では異なります。国際的な定義の代表的なものに、国連勧告による危険物の分類とその定義があります。国連, 経済社会理事会は、1952年、危険物輸送専門家委員会を設け、危険物規則を世界的レベルで、かつ、すべての輸送形態でできるかぎり統一化するための、輸送基準に関する勧告を作成することを決定しました。この勧告書(Recommendations on the Transport of Dangerous Goods)は、その表紙の色からオレンジブックと呼ばれています。勧告書の主な内容は、危険物の分類と定義、判定基準、危険物品リスト、ラベル、積荷書類の統一様式、分類のための試験法、危険物容器の基準などです。
化学物質の危険有害性は、種々の科学的な評価法により調べることができます。しかし、どの程度までを危険有害性有り(しきい値)と判断するか、あるいは、どのように注意して取り扱うべきか等は、科学というよりは「約束」であり、そのような約束の1つが法規です。化学物質の危険有害性に関連したいくつかの法規があります。化学物質が関与する災害を防止するためには、これらの法規の理解が不可欠です。以下に、危険有害性物質に関連する代表的な国内法規を列挙します。なお、当然ながら、各国の法規が、国内法規と若干の差異があることがあります。
*インターネットによる法律閲覧:上記の法令は、「電子政府の総合窓口(http://www.e-gov.go.jp )」で、ほとんど全てを見ることができます。
MSDS は、Material Safety Data Sheetの略であり、化学物質または製品の名称,化学式,危険性,有害性,取扱い上の注意,緊急時の措置等の情報を物質ごとに記したものです。インターネット環境が整備された現在においては、様々な機関の MSDSを閲覧することができます。