この試験は、物質が爆燃から爆轟へ転移する傾向を判定するために用いられる。
試験装置を図 15.5.2.1 に示す。試験される物質は長さ 457 mm の"3 インチ、スケジュール 80" の炭素(A 53 等級B) 鋼管の中に入れる。炭素鋼管の内径は 74 mm、肉厚は 7.6 mm で、一端を "3000 ポンド"鍛鋼管蓋で閉じ、もう一端には 13 cm 平方、8 mm 厚さの軟鋼証拠板を溶接する。5.0 kg の黒色火薬(No.20 篩い 0.84 mm を100 % 通過、No.50 篩い 0.297 mm で 100 % 残留)でできた点火具を試料容器の中央に置く。
点火具は、 厚さ 0.54 mm の酢酸セルロースでできた直径 21 mm の円筒容器でできており、その酢酸セルロースは2層のナイロン繊維強化酢酸セルローステープでまとめられている。点火薬包の長さは、点火薬 5 g に対し約 1.6 cm である。点火薬包には長さ 25 mm、直径 0.30 mm、抵抗 0.343 Ωのニッケルクロム合金の抵抗線でできた小さな輪を入れる。この輪を2本の絶縁された銅製リード線に取り付ける。これらのリード線を管壁の小さな穴を通して挿入し、エポキシ樹脂で密閉する。
周囲温度で、試料を鋼管の中に 23 cm の高さまで詰めてから、点火具(鋼管壁の小穴を通してリード線を挿入してある)を鋼管の中央に挿入し、リード線をぴんと張りエポキシ樹脂で密閉する。残りの試料を充填し、上蓋を回して閉じる。ゼラチン状の試料の場合は、試料をできるだけ通常の運搬密度に近づけて詰める。粒状の試料の場合は、鋼管を堅い表面に繰り返しタッピングして得られる密度になるように試料を詰める。鋼管を垂直に立て、20 V 変圧器から得る 15 A の電流で点火具に着火する。爆燃から爆轟への転移が起こらなければ、試験は3回実施する。
証拠板を貫通する孔が開いた場合、試験結果は“+”とし、その物質は危険等級 1.5 に分類されない。証拠板を貫通する孔が開かない場合、結果は“-”とする。
物質 | 見掛け密度 (kg/m3) |
結果 |
硝安/燃料オイル(94/6) | 795 | - |
過塩素酸アンモニウム(200 μm) * | 1145 | - |
硝安爆破剤(低密度可燃剤添加) | 793 | + |
エマルション爆破剤(マイクロバルーンで鋭敏化) | 1166 | - |
エマルション爆破剤(NCで鋭敏化) | 1269 | - |
エマルション爆破剤(油で鋭敏化) | 1339 | - |
NCダイナマイト * | 900 | + |
PETN(25 % の水で湿らせる) * | 1033 | + |
* 校正の目的で使用した-危険等級 1.5 とするためのものではない
(A) | 鍛鋼管蓋 | (B) | 鋼管 |
(C) | 点火具脚線 | (D) | シール |
(E) | 点火具 | (F) | 証拠板 |