スーザン打撃試験は、高速打撃条件の下での爆発反応の程度を評価するために用いられる。この試験は、爆薬を標準発射体のなかに装填し、発射体を指定速度で標的に向かって発射することにより行われる。
17.6.1.2.1 標準の方法で加工された、直径 51 mm、長さ 102 mm の爆薬鋼片を使う。
17.6.1.2.2 スーザン試験では、図 17.6.1.1 に示された試験用発射体を使用する。組み立てられた発射体は質量 5.4 kg で、 0.45 kg よりわずかに少ない爆薬が入っている。全体の寸法は、直径 81.3 mm で長さ 220 mm である。
17.6.1.2.3 発射体は 81.3 mm の滑腔砲から発射される。銃口は、厚さ 64 mm、滑らかな表面の装甲標的鋼板から、約 4.65 m 離れた位置に設置する。発射体の打撃速度は、銃に込める発射薬を調整して得る。
17.6.1.2.4 標的-銃レイアウトおよび分析装置の相対的位置を示す発射範囲の概略を、図 17.6.1.2 に示す。飛翔経路は地上およそ 1.2 m である。
17.6.1.2.5 試験サイトには、校正済みの爆風圧計と記録装置を設置する。爆風圧記録システムは、20 kHz 以上の周波数に対応できるシステムでなければならない。打撃速度と衝撃爆風過圧を測定する。爆風圧は打撃ポイントから 3.05 m 離れた地点で測定する(図 17.6.1.2 のゲージ(C))。
17.6.1.3.1 銃に詰める発射薬は、発射体速度が 333 m/s になるよう調整する。発射体を発射し、打撃速度と、衝撃に対する反応の結果生じる爆風圧を記録する。速度 333 m/s (+10%, -0%) が得られなければ、発射薬の量を調整し試験を繰り返す。
17.6.1.3.2 速度 333 m/s (+10%, -0%) が得られれば、正確な圧力-時間記録が、5回以上のショットで得られるまで試験を繰り返す。これらの正確なショットそれぞれにおいて、打撃速度は 333 m/s (+10%, -0%) でなければならない。
それぞれの爆風から測定された最大爆風過圧を記録する。5回の正確なショットから得られた最大圧力の平均を割り出す。このような手順で得られた平均圧力が 277 kPa 以上ならば、その物質はEIDS 爆発物ではなく、結果は“+”と記録する。
17.6.1.5 試験結果例
物質 | 結果 |
HMX/不活性バインダー (86/14)、圧填 | - |
HMX/活性バインダー (80/20)、注型 | + |
HMX/アルミニウム/活性バインダー(51/19/14)、注型 | + |
RDX/TNT (60/40)、溶填 | + |
TATB/Kel-F (95/5)、圧填 | - |
(A) | 皮製カップシール |
(B) | 鋼製本体 |
(C) | 試験に供する爆薬 |
(D) | アルミニウム製カップ |
図 17.6.1.2: スーザン試験レイアウト概略(俯瞰図)
(A) | 標的板(厚さ 6.4 cm) |
(B) | 飛翔経路 |
(C) | 爆風変換器(標的から 3.05 m) |
(D) | 煙遮断器 |
(E) | 81.3 mm 銃 |