化学物質の爆発安全情報データベース

13.7 シリーズ3 タイプ(d)試験規定

13.7.1 試験3(d): 小規模燃焼試験

この試験は、物質の火炎に対する反応を判定するために用いられる。

13.7.1.1 装置および材料

13.7.1.1.1 固体および液体

十分に灯油を含ませたおがくず(おがくず約 100 g と灯油 200 cm3)で作った 30 cm × 30 cm、厚さ 1.3 cm の床を用意する。容易に点火しない物質の場合には、厚さを 2.5 cm まで増加させる。電気点火具および試料を入れるのに十分なサイズで、その試料と反応しない、薄い壁のプラスチックビーカーも必要である。

13.7.1.1.2 代替方法(固体のみ)

クロノメーターおよび 不燃性の表面に置かれた30 cm × 30 cm のクラフト紙が必要である。数 g の細かい無煙火薬および適切な点火手段を、手順に従って図 13.7.1.1 に示すように用いる。

13.7.1.2 手順

13.7.1.2.1 固体および液体

10 g の物質をビーカーに入れる。ビーカーは灯油を含ませたおがくずの床の上の中央に置き、電気点火具でおがくずに点火する。爆発が観察されなければ、試験は試料 10 g で2回、100 g で2回行う。

13.7.1.2.2 代替方法(固体のみ)

クラフト紙の上に物質を円錐状に堆積する。円錐の高さは底面の半径と等しくする。円錐の周りに無煙火薬を帯状に配置し、対角線の両端の2点で、安全な距離から適切な点火源でこの無煙火薬に点火する(図 13.7.1.1 参照)。クラフト紙は帯状の無煙火薬によって点火され、試験物質に火炎を伝播する。爆発が観察されなければ、試験は試料 100 g で2回行う。

13.7.1.3 試験判定基準および結果査定方法

試験経過は目視で観察し、結果は以下の3つのカテゴリーの1つとして報告される。

燃焼持続時間、または爆発までの時間を追加情報として記録してもよい。
試験試料の何らかの爆発が起これば、試験結果は“+”とされ、その物質は試験された状態で輸送するには危険すぎるとみなされる。その他の場合、試験結果は“-”とされる。

13.7.1.4 試験結果例
物質 観察 結果
液体

ニトロメタン
燃焼
固体
(代替方法)

ブラスチングゼラチン

黒色火薬(Pulverin)

アジ化鉛

雷こう



燃焼

燃焼

爆発

爆発









図 13.7.1.1: 小規模燃焼試験(固体用)

小規模燃焼試験(固体用)


(A) クラフト紙
(B) 試験試料
(C) 点火具と数 g の無煙小粒火薬による点火(対角線上の2隅)
(D) 帯状の無煙小粒火薬