この試験は、均質な活性液体が、密閉鋼管内で、様々な高さから鋼製の金床上に落とされたときの爆発挙動を判定するために用いられる。
鋼(A37タイプ)管は、内径 33 mm, 外径 42 mm, 長さ 500 mm である(図 14.5.1.1 参照)。鋼管に供試液体を満たし、上端をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)テープを使って、鋳鉄製のねじ付き蓋で密閉する。蓋には軸方向に充填用の 8 mm の孔を開ける。孔はプラスチックの栓で閉じる。
液体の温度および濃度を記録する。試験前1時間以内に、液体を 10 秒間攪拌する。落下の高さは、最高 5 mとし、0.25 m 単位で変える。この手順は、爆轟を起こさない最大の高さを見つけるためのものである。鋼管は垂直方向に落下させる。以下の現象がどの高さで起こったかを記録する。
爆轟が 5 m 以下の落高で起こる場合は、試験結果は“+”とし、その液体は輸送するには危険過ぎると判定する。
5 m の落高で爆轟が起こらず、局部的な反応がある場合は、試験結果は“-”とする。しかし、所轄官庁の満足のいくように輸送の適合性が安全であると照明されなければ、金属容器は使用してはならない。
5 m の落高で反応がない場合、試験結果は“-”とし、その液体は液体に適したいかなる形態の容器にも入れて輸送することができる、と判定する。
液体 | 温度(℃) | 爆轟の落高(m) | 結果 |
ニトログリセリン | 15 | <0.25 | + |
NG/トリアセチン/2 NDPA (78/21/1) | 14 | 1.00 | + |
ニトロメタン | 15 | >5.00 | - |
TEGDN | 13 | >5.00 | - |
図14.5.1.1: 液体用鋼管落下試験
(A) | ワイヤの溶融により開放 | (B) | 鋳鉄製ねじ付きふた |
(C) | 継ぎ目なし鋼管 | (D) | 溶接された鋼製底ふた(厚さ 4 mm) |
(E) | 0.25 m から 5.00 m の落下高さ | (F) | 鋼製金床(1m ×0.50m、 厚さ 0.15 m) |