化学物質の爆発安全情報データベース

2. 1  ARC

 1)  装置概要

装置概念図をFig.6に示す。試料からの発熱を検知し、その温度上昇に等しい熱をヒーターにより供給することで、系全体を断熱状態に保つように制御される。温度を制御するための熱電対は上部、底部、側面ならびに試料容器に取り付けられている。試料の熱量は試料容器の側面につけられているため、発生した熱が容器に吸収されることを考慮する必要がある。概観を Fig.7に示すが、試料容器は内容積9ml程度である。

試料をあらかじめ設定した初期温度まで断熱的に加熱し,熱平衡に達するまでの一定の待機時間を置いた後,自己発熱速度が設定値(通常は0.25/min)を超えるかどうかのチェックを行い、発熱が検知されない場合はあらかじめ設定された値だけステップ加熱し、同様のステップ探索を行う。一度発熱が検知されると、自動的に厳密な断熱制御に入るという、加熱(heat) -待機(wait)-探索(search)サイクルで運転される。Fig.8に測定結果例を示している。

Fig.6 ARC装置概念図
Fig. 6  ARC装置概念図

Fig.7 ARCの概観
Fig. 7  ARCの概観

Fig.8 ARC測定結果例
Fig. 8  ARC測定結果例