化学物質の爆発安全情報データベース

17.6 シリーズ7 タイプ(c) 試験規定

17.6.2 試験7(c)(ⅱ): 脆弱性試験
17.6.2.1 はじめに

脆弱性試験は、コンパクトなEIDS候補が、衝撃の影響によって劣化し危険になる傾向があるかどうかを判定するために使われる。

17.6.2.2 装置および材料

以下の物が必要である:

  1. 速度 150 m/s で直径 18 mm の円筒状の試験片を発射するように設計された武器
  2. 前面が 3.2 ミクロンの粗さ(AFNOR NF E 05-015 および NF E 05-016 標準)で厚さ 20 mm のZ30C 13 のステンレス鋼板
  3. 20℃で 108±0.5 cm3 の圧力ボンベ
  4. 0.5 g の黒色火薬(平均粒子サイズ 0.75 mm)の上に載せた電熱線の入った点火カプセル。黒色火薬の成分は、硝酸カリウム 74 %、硫黄 10.5 %、炭素 15.5 % である。含水率は 1 % 未満とする。
  5. コンパクトな物質の円筒状試料は、直径 18±0.1 mm とする。長さは、質量 9.0±0.1 g となるように調節する。試料は温度20℃に保つ。
  6. 破片回収箱
17.6.2.3 手順

17.6.2.3.1 試料は衝突速度ができるだけ 150 m/s 近くなるのに十分な初速で、鋼板に対して発射される。衝突後集められた破片の質量は 8.8 g 以上となるようにする。これらの破片は圧力ボンベの中で点火される。試験は3回行う。

17.6.2.3.2 時間圧力曲線 p = f (t) を記録する。これにより (dp/dt) = f' (t) 曲線が得られる。この曲線から最大値 (dp/dt)max を読みとる。これによって衝突速度 150 m/s に対する(dp/dt)max 値が推定できる。

17.6.2.4 試験判定基準および結果査定方法

速度 150 m/s において得られる最大値(dp/dt)maxの平均が 15 MPa/ms を超えれば、試験された物質はEIDSではなく、結果は“+”と表示する。

17.6.2.5 試験結果例
物質 結果
HBX/不活性バインダー(86/14)、溶填
HBX/活性バインダー(80/20)、溶填
HBX/アルミニウム/活性バインダー(51/19/14)、溶填
RDX/TNT(60/40)、溶填
TATB/Kel-F(95/5)、圧填