化学物質の爆発安全情報データベース

17.9 シリーズ7 タイプ(f) 試験規定

17.9.1 試験7(f): EIDSスロークックオフ試験
17.9.1.1 はじめに

この試験は、徐々に周囲温度が上昇する環境におけるEIDS候補の反応を判定し、反応が起こる温度を測定するために用いられる。

17.9.1.2 装置および材料

17.9.1.2.1 通常の技術で加工された爆発性試験試料を使用する。試料は、長さ 200 mm で、直径は、内径 45 mm (±10 %)、肉厚 4 mm (±10 %)、長さ 200 mm の継ぎ目なし鋼管にぴったり合うようにする。鋼管は少なくとも管と同じくらいの強さの鋼鉄製または鋳鉄製のエンドキャップで密封し、204 Nm のトルクで締める。

17.9.1.2.2 組み立てた試料は、40℃から 365℃の温度範囲に温度環境を調節でき、この温度操作範囲で周囲温度を1時間に 3.3℃の速度で上昇させられ、循環または他の方法で供試試料を一定の温度環境に保つことのできる炉の中に置く。

17.9.1.2.3 温度記録装置は10分以下の間隔で温度をモニターするために用いる。連続モニタリングの方が好ましい。試験温度範囲内で、±2% の精度をもつ計装装置を用いて、以下の温度を測る:

  1. 炉内空気;および
  2. 鋼管の外表面
17.9.1.3 手順

17.9.1.3.1 試料は反応が起こるまで1時間に 3.3℃の速度で徐々に上昇する空気温度におかれる。試験は、予想される反応温度より 55℃低い温度に調節した試料を使って行う。試料温度が炉の温度を超えたときの開始温度を記録する。

17.9.1.3.2 各試験終了後、試験領域の鋼管やその破片を回収し、激しい爆発反応の証拠として調べる。試験前と試験後に、試験装置、器具の状態を記録するために、カラー写真を撮ってもよい。クレーターおよび破片のサイズと飛散位置を、反応の程度をしめすものとして記録する。

17.9.1.3.3 明確な結果が初期に出なければ、各候補物質について3回試験を行う。

17.9.1.4 試験判定基準および結果査定方法

爆轟するか激しく反応する(1つまたは2つのエンドキャップの破砕および鋼管が3つ以上の破片に破砕する)物質は、EIDSとはみなされず、結果は“+”と表示される。

17.9.1.5 試験結果例
物質 結果
HMX/不活性バインダー (86/14)、溶填
HMX/活性バインダー (80/20)、溶填
RDX/TNT (60/40)、溶填
TATB/Kel-F (95/5)、圧填