化学物質の爆発安全情報データベース

17.5 シリーズ7 タイプ 7(b) 試験規定

17.5.1 試験 7(b): EIDSギャップ試験
17.5.1.1 はじめに

この試験は、特定の衝撃レベル、すなわち特定の励爆薬とギャップに対するEIDS候補の感度を測定するのに用いられる。

17.5.1.2 装置および材料

この試験の装置は、爆発性装薬(励爆薬)、バリヤー(ギャップ)、試料装薬(受爆薬)を収納する容器、および鋼製証拠板(ターゲット)から成る。

次の材料が用いられる:

  1. 国連の標準雷管またはその同等品
  2. 直径 95 mm 長さ 95 mm の 圧搾した 50/50 ペントライトまたは密度 1600 kg/m3±50 kg/m3 の95/5 RDX/WAX ペレット
  3. 鋼鉄製、継ぎ目なし冷間引き抜き、外径 95 mm、肉厚 11.1 mm ±10 % 、長さ 280 mm で以下の機械的特性を持つ管類:
  4. 試料物質の直径は、鋼管の直径をちょうど下回るように加工する。試料と管壁の間の空間は、できるだけ少なくする。
  5. 直径 95 mm, 長さ 70 mm の鋳造ポリメチルメタクリラート(PMMA)
  6. 200 mm × 200 mm × 20 mm で、以下の機械的特性を持つ軟鋼板:
  7. 内径 97 mm、長さ 443 mmのボール紙筒
  8. 雷管を保持するために中央に孔を開けた直径 95 mm、厚さ 25 mm の木製ブロック
17.5.1.3 手順

17.5.1.3.1 図 17.5.1.1 に示すように、雷管、励爆薬、ギャップ、受爆薬を証拠板の中央に同軸状に並べる。受爆薬の開放端と証拠板の間の空気間隙は、受爆薬と重ならないスペーサーで 1.6 mm に保つ。雷管と励爆薬、励爆薬とギャップ、ギャップと受爆薬がうまく接触するよう注意する。試料とブースターは試験の間周囲温度にする。

17.5.1.3.2 証拠板の残留物をうまく回収できるように、全装置を水の入った容器の上に置き、水面と証拠板(2つの縁によってのみ支えられている)の下面の間の空気間隙が 10 cm 以上となるようにする。

17.5.1.3.3 上記に変わる回収方法を用いてもよいが、証拠板の破壊を妨げないよう、証拠板の下には十分な自由空間を設けることが重要である。初期に+の結果が得られなければ、試験は3回行う。

17.5.1.4 試験判定基準および結果査定方法

証拠板にはっきりした孔が開けば、試料中で爆轟が起こったことが示される。いずれかの試験で爆轟を起こした物質はEIDSではなく、結果は“+”と表示される。

17.5.1.5 試験結果例
物質 結果
HMX/不活性バインダー(86/14)、溶填
HMX/活性バインダー(80/20)、溶填
HMX/アルミニウム/活性バインダー(51/19/14)、溶填
RDX/不活性バインダー(85/15)、溶填
RDX/TNT(60/40)、溶填
TATB/Kel-F(95/5)、圧填
TNT、溶填

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図 17.5.1.1 EIDSギャップ試験


(A) 雷管 (B) 励爆薬
(C) PMMA ギャップ (D) 試験試料
(E) 鋼管 (F) 空隙
(G) 証拠板