この試験は、試験試料(物品、包装物品、包装物質(均質な液体を除く))が、重大な火災や爆発の危険を生じることなく自由落下による衝撃に耐えられるかどうかを決定する。包装が衝撃に耐えられるかどうかを評価するものではない。
14.5.2.2.1 衝撃面
衝撃面は十分に滑らかな表面を持つ堅固な土台である。例えば、厚さ 600 mm 以上のコンクリート基盤にしっかり支えられた厚さ 75 mm 以上、ブリネル硬度 200 以上の鋼鉄板表面がその一例である。衝撃面の長さと幅は、試験試料の寸法の 1.5 倍以上とする。
14.5.2.2.2 他の装置
衝撃の姿勢と結果を確認するために、写真または他の視覚記録装置を用いる。衝撃の姿勢が重要な要因であると考えられる場合には、試験機関は望ましい衝撃姿勢を得るために、誘導装置を用いる場合もある。そのような装置は、落下速度を著しく抑制したり、衝突後の跳ね返りを妨げるものであってはならない。
14.5.2.2.3 試料
場合によっては、試験される物品の包装内のいくつかの爆発性物品を、不活性の物品に置き換えることもある。これらの不活性物品は、置き換えられる爆発性物品と質量および容積が同じでなければならない。爆発性物品は、衝撃が最も作用するような位置に置く。包装物質の試験においては、その物質を不活性物質に置き換えることはできない。
試験試料は、試料の最も低い点から衝撃面までの高さが 12 m の位置から落とす。衝撃後の安全待機時間(試験機関により定められている)は、衝撃によって目に見える起爆や発火が起こらなくても、守らなければならない。試験試料はその後、なんらかの発火または起爆が起こったかどうかを調べるため、検査する。包装物質または物品については、決定的な事象(火災や爆発)が1回目か2回目に起こらなければ、3回の落下試験を行う。ただし、各試験試料の落下は1度だけとする。記録されるデータには、包装の説明および観察結果を含める。記録結果は、写真、発火の視覚および聴覚的証拠記録、(もし起これば)発生時間、大規模な爆轟や爆燃のような場合の結果の激しさなどを含む。衝突時における試験試料の姿勢も記録する。包装の破損は記録してもよいが、結論には影響しない。
衝撃により火災または爆発が起こる場合、試験結果は“+”とし、その包装物質または物品は輸送するには危険過ぎるとみなされる。包装あるいは物品ケースの破損のみの場合は結果を“+”とはみなさない。3回の落下のいずれにおいても火災または爆発が起こらない場合、結果は“-”とする。
物質または物品 | 落下回数 | 観察結果 | 結果 |
ケーブルカッター薬包、2個入り金属容器 | 3 | 反応なし | - |
鋳造火管 (27.2 kg) | 3 | 反応なし | - |
CBI 固体推進薬 直径 7.11 mm (36.3 kg) | 3 | 反応なし | - |
雷管、火管、信管を含む(発射体の)構成品 | 1 | 発火 | + |
ダイナマイト、アンモニア ゼラチン (22.7 kg) | 3 | 反応なし | - |
ダイナマイト、40 % ストレングス アンモニア (22.7 kg) | 3 | 反応なし | - |
ダイナマイト、60 % ストレングス ストレート (22.7 kg) | 3 | 反応なし | - |
ダイナマイト、50 % ストレングス ストレート(溝掘)(22.7 kg) | 3 | 反応なし | - |
推進薬ガス発生器、アルミニウム容器入り正味重量 61.7 kg | 3 | 反応なし | - |
破砕用発火装置、木箱入り 20個 個包装 | 3 | 反応なし | - |