この試験は、密閉した鋼管中での、爆ごうの衝撃に対する物質の感度を測定するために使われる。
装置を図 12.4.1.1 に示す。外径 48±2 mm、肉厚 4.0±0.1 mm、長さ 400±5 mm の冷間引き抜きシームレス炭素鋼管に試料を入れる。試料が鋼と反応する可能性のある場合は、管の内側をフッ素樹脂でコーティングしておく。管の底は、0.08 mm 厚さの2枚のポリエチレンシートを輪ゴムと絶縁テープを使ってきつく引っ張って(塑性変形するように)覆い、密閉する。ポリエチレンに影響を及ぼす試料については、ポリテトラフルオロエチレンシートを使用する。伝爆薬は、160 g のRDX/wax (95/5)またはPETN/TNT(50/50) から成り、直径 50±1 mm、密度1600±50 kg/m3、長さ約 50 mm である。装填薬の総量が規格内であれば、RDX/waxはひとつまたは複数の片に圧縮され、PENT/TNTは溶てんされる。直径 50±1 mm、長さ 50±1 mm のポリメチルメタクリレート(PMMA) スペーサが必要である。150±10 mm平方、3.2±02 mm 厚さの軟鋼証拠板を鋼管の上端に設置し、1.6±0.2 mm 厚さのスペーサで鋼管から仕切る。
12.4.1.3.1 試料を鋼管の先端から装填する。固体試料の場合は、管をタッピングしてこれ以上詰められなくなる密度まで装填する。試料の質量を測定し、固体の場合は測定された管の内容量を使って見掛け密度を計算する。密度は出荷時の密度にできるだけ近づけるようにする。
12.4.1.3.2 鋼管を垂直に立て、PMMA スペーサを管の底を密閉しているシートに直接接触するように置く。伝爆薬を PMMA スペーサに接するように置いてから、雷管を伝爆薬の底に向かい合うように据え付けて起爆する。物質の爆ごうが観察されなければ試験は2回行う。
結果は、鋼管の破砕タイプおよび証拠板に穴が開いているかどうかに基づいて査定される。最も厳密な査定が出た試験を分類に使用する。
場合、結果は“+”とみなされ、その物質は衝撃に対して敏感であるとする。
他のいかなる結果も“-”とみなされ、物質は爆ごう衝撃に対して敏感ではないとする。
物質 | 見掛け密度 (kg/m3) |
破砕長さ (cm) |
証拠板 | 結果 |
硝酸アンモニウム、プリル | 800 | 25 | 膨らむ | - |
硝酸アンモニウム、200 μm | 540 | 40 | 孔があく | + |
硝酸アンモニウム/燃料、94/6 | 880 | 40 | 孔があく | + |
過塩素酸アンモニウム、200 μm | 1190 | 0 | 損傷なし | - |
ニトロメタン | 1130 | 0 | 損傷なし | - |
PETN/乳糖、20/80 | 880 | 40 | 孔があく | + |
TNT、鋳填 | 1510 | 20 | 損傷なし | - |
TNT、フレーク | 710 | 40 | 孔があく | + |
図 12.4.1.1: 国連ギャップ試験
(A) | スペーサ | (B) | 証拠板 |
(C) | 鋼管 | (D) | 試験試料 |
(E) | PMMAスペーサ | (F) | RDX/wax または PETN/TNT伝爆薬 |
(G) | 雷管ホルダー | (H) | 雷管 |
(J) | プラスチック膜 |