この試験は物質が爆燃から爆轟へ転移する性向を調べるために用いられる。
実験装置を図 11.6.2.1 に示す。試料を長さ 45.7 cm、内径 74 mm、肉厚 7.6 mm の「3インチスケジュール80」炭素(A 53 等級B)鋼管に入れる。両端を「3000ポンド」鍛鋼管蓋で閉じる。20 g の黒色火薬(No.20の篩、0.84 mm を 100 % 通過し、かつ No.5の篩、0.297 mm で 100 % 残る)から成る点火剤を試料容器の中央に設置する。点火装置は、直径 21 mm、長さ 64 mm の円筒形容器で、厚さ 0.54mm の酢酸セルロースでできており、酢酸セルローステープを補強する2層のナイロンフィラメントによって保持されている。点火装置のカプセルには長さ25 mm、直径 0.30 mm、抵抗 0.35 Ωのニッケルクロム合金製抵抗線でできた小さなループが入っている。このループは直径 0.7 mmの2本の絶縁した鍍金銅製導線に結びつけてある。絶縁体も含めたワイヤ全長は 1.3 mm である。この導線は鋼管壁の小さな穴を通して容器内に通され、エポキシ樹脂で密封してある。
試料を外気温度で高さ 23 cm まで充填し、点火装置(管壁の小さな穴から導線を中に通したもの)を鋼管の中央に入れ、導線をぴんと張り、エポキシ樹脂で密封する。次に試料の残りを充填し、先端の蓋を締める。ゼラチン状の試料については、通常出荷される密度にできるだけ近い密度まで詰め込む。粒状の試料については、鋼管を固い面に何度も軽くタッピングすることによって得られる濃度まで充填する。鋼管を垂直に立て、20ボルトの変圧器から流れる 15 アンペアの電流で点火装置に着火する。爆燃から爆轟への転移が起こらなければ試験は3回行う。
鋼管あるいは少なくとも蓋の一方が、2つ以上の破片に割れた場合、結果は「+」とみなされる。鋼管が単に裂けるか開いて倒れた場合、または鋼管か蓋がねじれて蓋が飛んだ場合は、「-」とみなされる。
物質 | 結果 |
硝酸アンモニウム/燃料油、アルミニウム処理 | + |
硝酸アンモニウムプリル、多孔性、低密度 | - |
過塩素酸アンモニウム(45 μm) | + |
Nitrocarbonitrate | - |
TNT、粒状 | + |
含水爆薬 | + |
図 11.6.2.1: 内部点火試験
(A) | 鍛鋼キャップ | (B) | 鋼管 |
(C) | 点火用導線 | (D) | シール |
(E) | 点火装置 | (F) | 鍛鋼キャップ |