硫黄 (危) 

  1. 硫黄は少量(5%~10%)でも、塩素酸塩に混合すると、その配合剤の感度が著しく鋭敏になる。塩素酸塩剤には硫黄を添加してはならない。黒色火薬を塩素酸塩主剤の割り薬等に少量添加しても、黒色火薬に含まれる硫黄のために、割り薬の感度が鋭敏になる。
  2. 硫黄は熔融点がきわめて低い(約119℃)。燃焼の過程で融解、蒸発の形をとり、このときの吸熱現象が大きい。多量の硫黄を混合した配合薬が断続燃焼を起こすのはこのためであろう。(キラ、キラ等)
  3. 過塩素酸カリウムと麻炭系の割り薬組成に、硫黄10%以下の適量を添加し、威力を増す方法がおこなわれている。


三硫化アンチモン Sb2S3 

三硫化アンチモンは鉱物であって、金属アンチモン、酸化アンチモン等の原料としてほとんど使われる。純度の高いもの(97%以上)が煙火用として使用される。
 マッチの摺り薬として赤リンと配合して使われるものは、純度20%程度のものである。粉末に金属製光沢のあるものは純度が高い。
 また、三硫化アンチモンの熔融温度は548℃であって、硫黄の分解温度(338℃)よりも高いので、精錬の過程で硫酸分が残ることがほとんど考えられない。
 塩素酸塩類と混合しても、その摩擦感度等は、硫黄ほど鋭敏にならない。が、他の可燃剤、助燃剤を混和するよりも危険度は増加する。