化学物質安全データシート
|
製造者情報
会社名 :シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社
住所 :東京都中央区東日本橋1-1-7
担当部門 :コンプライアンスグループ
担当責任者:コンプライアンス担当
TEL :03-5821-3240
FAX :03-5821-3170
緊急連絡先:同上
|
作成 2001年 01月 01日
整理番号 21067
製品名、化学名、別名
過塩素酸アンモニウム
Ammonium perchlorate
【組成、成分情報】
化学式又は構造式
◇分子式…H4ClNO4
官報告示整理番号
◇化審法…(1)-220
CAS No.
7790-98-9
【危険有害性の要約】
分類の名称
1. 酸化性物質。
2. 爆発性物質(爆薬のみ)。
危険性 ─ 危険度を0~4の5段階で表示
火災1(要注意)
人体2(危険)
反応4(危険甚大要避難)
1. 爆発性がある。
有害性
◇吸入した場合…
1. これらの気体は気道に強い炎症、喉頭筋肉組織のけいれん(窒息危険)および肺水腫をひき起こすことがある。
2.
症状:筋衰弱、加熱により分解生成が生じた場合、激しい刺激性咳、最重症の呼吸困難。
◇眼に入った場合…
1. この粉塵は、眼および気道に弱い刺激を与える。
◇燃焼生成ガス…
1. 塩素、酸素、窒素。
【応急措置】
眼に入った場合
1. 眼に入った場合、10~15分間水で洗浄する。
2.
そのため、まぶたを親指と人さし指で拡げ、同時に眼をあらゆる方向に動かせる。
3. 医師を災害現場に呼ぶ。
皮膚に付着した場合
1. この物質でぬれた衣服部分、靴および靴下をただちに脱がせ、水で洗う。
2.
この物質と接触した身体部位を水で洗浄する。
3. 熱傷の場合は続いて無菌包帯で包む(熱傷用包帯を使用しない)。
吸入した場合
1.
加熱による分解または火災により他の物質と結合して有毒な分解生成物または燃焼生成物が生じた場合、傷病者を新鮮な空気の所に移し、安楽に待機させ、窮屈な衣服部分をゆるめてやる。
2.
呼吸停止の場合、ただちに呼気吹き込みまたは器具による人工呼吸。
3. 必要とあれば酸素吸入。
4. 傷病者を冷やしてはならない。
5.
救急活動中も全身防護服を着用する。
6. 意識喪失の危険がある場合には、待機や搬送は安定な側臥位で行う。
【火災時の措置】
消火方法
◇消火要領…
1. 小規模火災も大規模火災も多量の水で消火する。
2.
消火活動は必ず爆発防護用遮へい物または安全な距離から行う。
3. 容器を水噴霧で冷却し、できれば危険地域外に移す。
◇消防活動装備…
1. 防護衣。
2. 空気呼吸器。
3. 循環式酸素呼吸器。
4. ゴム長靴。
5.
防火服。
消火剤
1. 水。
【漏出時の措置】
1. 漏洩:危険なくできるときは、漏洩部をふさぐ。
2.
流水:飲料水、用水および冷却水の取水者に了解を求める。
3.
停留水:取水者に了解を求める。船舶火災の危険がある場合、危険地域の船舶を移動させる。すべての発火源を取り除く。
4.
陸上:密閉容器に入れて運び去る。すべての発火源を取り除く。すべての有機物をできるだけ遠ざける。
【取扱い及び保管上の注意】
取扱い
1. 刺激性。
2. 強酸化剤。
3. 可燃物。熱源、火花、裸火との接触禁止。
4.
他の物質と接触して火災となることがある。
5. 粉塵の吸入を避ける。
6. 眼、皮膚、衣服との接触を避ける。
7.
長時間または反復の曝露を避ける。
8. 取扱後完全に洗浄。
9. 加熱により爆発のおそれ。
保管
1. 密封。冷乾燥場所に保管。
【暴露防止及び保護措置】
◇安全管理上の留意事項…
1. 危険地域内では、機械を停止する。
2. できるだけ距離をとる。
3.
爆轟(デトネーション)の危険がある。
4.
爆発危険があるので、発火物を除去し、喫煙を禁止し、裸火を消し、火花を発生する電気器具および開閉器を作動させない。
5.
周辺空気と無関係の(重装備の)呼吸防護器具および全身防護服を着用する。
6. 防災活動に無関係なすべての人々を風上方向に遠ざける。
7.
喫煙および火気を厳禁する。
8. 専門家を呼びよせる。
9.
水路では航行を遮断する。陸上では危険地域を遮断する。住宅地域および工業地域の居住者に警告する。たとえば油のしみ込んだ雑巾などにこの物質が接触することを、絶対に防ぐ。爆発物を取り扱う場合と同じように行動する。
10.
消火活動は火災の初期段階でのみ可能である。
設備対策
◇安全管理・ガスの検知…
1. 測定器
2. 検知管
◇貯蔵上の注意…
1. 密封。冷乾燥場所に保管。
保護具
1. 局所排気または呼吸用保護具。
2. 保護手袋。
3. 保護衣。
4. 安全シャワー。
5.
安全ゴーグル。
6. 洗眼器。
【物理的及び化学的性質】
外観等
白色の結晶。融点加熱により分解。
融点
210℃以上(分解)。
比重又は嵩比重
1.95
溶解度
水に可溶。
【安定性及び反応性】
◇加熱・燃焼…
危険性有
1. 210℃以上の温度では、有毒な蒸気を発生しながら分解する。
2.
240℃に加熱すると、塩素ガス、酸素、窒素および水蒸気が発生する。
3. 周辺火災により強く加熱されると、爆発が起こる。
◇水との接触…
危険性有
1. 4倍量の水に完全に溶ける。
◇空気との接触…
危険性有
1. 安定化されていない過塩素酸アンモニウムは強力な爆発物である。
2.
安定化された状態(たとえば10%の水を含んでいる場合)では危険ではないが、燃焼促進性がある。
3.
有機物と混合する場合には、安定化および非安定化のいずれかの状態でも爆発性(摩擦および衝撃に非常に敏感)がある。
4.
酸素含有量が大きいので、可燃性の粉末状物質と混合すると、爆発する。
◇混触等…
危険性有
1. 安定化されていない過塩素酸アンモニウムは強力な爆発物である。
2.
安定化された過塩素酸アンモニウム(たとえば10%の水を含む)は、燃焼促進性がある。
3.
有機物と混合する場合には、安定化および非安定化のいずれかの状態でも、きわめて燃焼しやすい化合物が生じる。
4.
その化合物は摩擦によって発火する。
5. その爆轟(デトネーション)はピクリン酸のそれに匹敵する。
6.
衝撃または摩擦に対する感受性は、硫黄、金属粉塵、炭素含有物を不純物として含むことによって高められる。
【有害性情報】
◇眼に入った場合…
1. この粉塵は、眼および気道に弱い刺激を与える。
◇吸入した場合…
1. これらの気体は気道に強い炎症、喉頭筋肉組織のけいれん(窒息危険)および肺水腫をひき起こすことがある。
2.
症状:筋衰弱、加熱により分解生成が生じた場合、激しい刺激性咳、最重症の呼吸困難。
急性毒性
(RTECS)
◇経口毒性…
マウス LD50 1,900 mg / kg
ラット LD50 4,200 mg / kg
モルモット
LD50 3,310 mg / kg
【環境影響情報】
生態影響
◇水質汚濁…
1. 水生生物に有毒、アンモニウムイオンにより魚類および魚の餌料動物に対し0.3 mg 以上/ l
で有毒、この物質の熱分解の場合、塩素ガス発生により水生生物に毒性作用があり、魚類は0.15~0.2 mg / l で、一部致死、下等生物に対し0.2~5 mg
/ l で致死。水質に危険を及ぼす物質で、水質危険クラスは1、毒性評価数は魚類に対し、2.6、バクテリア類2.6。
【廃棄上の注意】
1.
少量の場合:大量の水を撹拌し、注意しながら添加。pHを中性に調整し、不溶性固体または液体を分離し、危険物廃棄用として包装。水溶液は大量の水と一緒に排出する。加水分解と中和反応のため発熱し、霧を発生するが、添加速度を加減すれば発熱および霧発生を制御できる。
【輸送上の注意】
国連分類及び国連番号
0402(過塩素酸アンモニウム)クラス1.1D
1442(過塩素酸アンモニウム、火薬類に該当するものを除く)クラス5.1 等級Ⅱ
【適用法令】
〔爆発性のもの〕
◇火薬類取締法…
第2条爆薬
◇国連番号…
0402(過塩素酸アンモニウム)クラス1.1D
◇IMDG…
(P.1103)クラス1.1D 旅客禁止
◇ICAO/IATA…
クラス1.1D 積載禁止
◇危規則…
第3条危険物告示別表第1火薬類 A- 上(B)下(Ⅱ)/禁止
◇航空法…
積載禁止
◇港則法…
施行規則第12条危険物告示火薬類
〔安定化されたもの〕
◇消防法…
第2条危険物第1類過塩素酸塩類
◇労働安全衛生法…
施行令別表第1危険物(酸化性の物)
◇国連番号…
1442(過塩素酸アンモニウム、火薬類に該当するものを除く)クラス5.1 等級Ⅱ
◇IMDG…
(P.5126)クラス5.1 等級Ⅱ 旅客禁止
◇ICAO/IATA…
クラス5.1 等級Ⅱ PAT509(5 kg )Y509(2.5 kg)CAO512(25 kg)
◇危規則…
第3条危険物告示別表第7酸化性物質類・酸化性物質 L-上・下/禁止 等級2
◇航空法…
積載禁止
◇港則法…
施行規則第12条危険物告示酸化性物質
◇TSCA…
有り
◇EINECS…
2322351
【その他】
参考文献、参考資料
「化学品安全管理データブック 増補改訂第2版」 化学工業日報社
「13700の化学商品」
化学工業日報社
「化学物質等法規制便覧」 化学工業日報社
「危険物関係法例 チェックリスト解説」
第一法規出版株式会社
化学品安全管理データブック CD-ROM 長瀬産業株式会社
Sigma-Aldrich Material Safety
Data Sheet CD-ROM
本MSDSは自社MSDSデータベース並びに各種の出版されている情報、文献などに基づいて作成されていますが、すべての情報を網羅しているわけではありません。従って、本情報は化学物質の安全性の指標としてのみご使用ください。また、本MSDSの記載内容は情報提供を目的としており、当該化学物質の取り扱い上のいかなる保証をなすものではありません。