硝酸カリウムは歴史の古い酸化剤であって、煙火用として年間約600トンが使用されている。
主な性質は次のとおりである。
- 硝酸カリウムは吸湿性はないが、極めて水に溶けやすく、湿気、水分等には注意しなければならない。
- 硝酸カリウムは安定性の高い酸化剤であるが、配合薬は着火しやすく燃焼(爆燃)しやすいので、残火薬またはこれが付着し、混合された塵粉等の廃棄処分には十分注意しなければならない。
- 硝酸塩は過塩酸アンモン等のアンモニウム塩と混合または接触すると、空気中の水分の存在によって反応し、極めて吸湿しやすい硝酸アンモニウムを生成する。そのために着火不能になることが多い。
- 硝酸塩はアルミニウム粉末と混合すると、水分の存在により発熱することがあり、この発熱により自然発火した例は多い。特に硝酸カリウムは水に溶けやすいので、この反応が激しいようである。
- 硝酸カリウムにアルミニウム粉等の金属粉を混合して、配合機(ボールミル、V型ミキサー等)に入れて混合中、爆発した事故が何件かある。硝酸カリウムは勿論、他の酸化剤でも金属粉を加えて機械で混和することは避けるべきである。
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